税理士法人 良知 コラム

2018年3月 8日 木曜日

実践コラム『中小企業における財務の強化方法その1』

『中小企業における財務の強化方法その1』・・・どんぶり勘定から脱出するため試算表を毎月作成しましょう。

殆どの中小企業が財務管理に改善の余地があると感じます。財務管理が弱いと、自社の財務状況を金融機関に正確かつタイムリーに伝えられないため、本来融資を受けられる業績であっても、融資を断られる場合があります。融資をスムーズに受けられなければ、成長の機会を逃す、資金が詰まる、という危機に陥りますので、財務管理は強い方が安心です。

財務管理強化の第一歩はどんぶり勘定から脱却することです。通帳の残高を見ながら感覚的に経営するのではなく、財務数値に基づいて経営判断を下した方が、より正確な経営判断を下すことができます。

正確な財務数値を把握するには、月次試算表が必要です。試算表を見れば、キャッシュの動きだけでは分からない「利益」と「資産・負債」の状況が分かります。

どんぶり勘定が引き起こす問題の代表的な事例をご紹介します。

■実は赤字だが資金繰りが回っているため気づかない。
本当は赤字に気づいているのかもしれませんが、赤字を直視しないことによって対策が遅れます。赤字を改善する努力よりも、借入で資金繰りをごまかすことを優先し続けると、必ず最後に資金が詰まります。

■無駄な資金繰りに時間を費やしている。
取引条件によって黒字でも資金繰りが苦しくなります。黒字ですので融資を容易に受けることができ、資金繰りの苦労からも簡単に解放されますが、それに気付かず資金繰りに多大な労力をかけています。

■融資を受けられるタイミングを逃している。
6カ月前なら融資を受けられたというケースです。本当に良くお見受けします。融資はいつでも受けられる訳ではありませんので、財務状況をタイムリーに管理し、一番借りやすい時に借りておくのが鉄則です。資金が必要なのに融資を断られて困っている企業様の半数は、過去に資金調達のタイミングを逃しています。

他にもたくさん事例はございますが、お伝えしたいのは、「試算表」を毎月作成することの重要性です。あらゆる財務的な判断は試算表を基に行われます。財務強化の第一歩として、試算表を毎月作成できているかどうかをご確認ください。



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投稿者 税理士法人 良知