税理士法人 良知 コラム
2018年3月23日 金曜日
『取引条件に拘りましょう』
『取引条件に拘りましょう』・・・取引条件で自社のキャッシュフローが大きく変わります。
弊所の顧問先様で、創業から順調に業績を伸ばしているA社があります。もちろん営業的な面が上手く行っていることが主な要因ですが、借入をしなくても資金繰りに困らない取引条件でビジネスをスタートできたことも大きな要因です。
信用力が低く銀行借入れが困難なスタートアップ企業は、仕入や人件費等の支払日より、売上金の入金が先にくるよう、販売先や支払先と交渉しなくてはなりません。もし支払日が1日でも前になってしまえば、売上金が入金されるまでの立替資金が必要になるため、銀行等の協力が成長の絶対条件となってしまいます。
A社は、売上は末締めの翌月末回収である一方、仕入は25日締め翌々月5日払いとしています。毎月末日に回収した資金を5日の支払資金に充てることができるため、銀行の協力がなくても大きく売り上げを伸ばすことができました。
他にも、支払日を翌月にずらすメリットはあります。月末時点の現預金残高が大きくなるというメリットです。たとえ5日後には現預金残高が半減するとしても、試算表等は末日で作成しますので、試算表の上では、現預金残高が膨らみます。当然買掛金も膨らむため、安全性分析ではそれほど変わりませんが、単純に現預金残高を評価する金融機関もあるため、財務面も有効です。
もうひとつA社が優れている点は、仕入の平均支払サイトを55日にできた点です。A社の代表は支払日を5日後ろにずらすだけでなく、締日を5日前にする交渉も行いました。結果は同じはずですが、支払日を10日伸ばす交渉よりも、支払日を5日伸ばして締日を5日前倒しする交渉は通りやすかったようです。
この10日は中小企業にとって大変大きなインパクトがあります。
「支払を先延ばししたところで、いつかは払わなくてはならないのだから一緒でしょう?」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、企業は永遠に生き続けますので、払わなくてはならない日は訪れません。
月の仕入額が1,000万円であれば、10日分の333万円は永遠に買掛金となります。仕入額1億円になれば3,333万円です。無利子かつ返済不要の借入と同じ効果です。
取引条件に強く拘っている中小企業様は少ないと感じます。
取引条件がキャッシュフローに与える影響をしっかり理解し、もっと強く拘ってみてはいかがでしょうか。
弊所の顧問先様で、創業から順調に業績を伸ばしているA社があります。もちろん営業的な面が上手く行っていることが主な要因ですが、借入をしなくても資金繰りに困らない取引条件でビジネスをスタートできたことも大きな要因です。
信用力が低く銀行借入れが困難なスタートアップ企業は、仕入や人件費等の支払日より、売上金の入金が先にくるよう、販売先や支払先と交渉しなくてはなりません。もし支払日が1日でも前になってしまえば、売上金が入金されるまでの立替資金が必要になるため、銀行等の協力が成長の絶対条件となってしまいます。
A社は、売上は末締めの翌月末回収である一方、仕入は25日締め翌々月5日払いとしています。毎月末日に回収した資金を5日の支払資金に充てることができるため、銀行の協力がなくても大きく売り上げを伸ばすことができました。
他にも、支払日を翌月にずらすメリットはあります。月末時点の現預金残高が大きくなるというメリットです。たとえ5日後には現預金残高が半減するとしても、試算表等は末日で作成しますので、試算表の上では、現預金残高が膨らみます。当然買掛金も膨らむため、安全性分析ではそれほど変わりませんが、単純に現預金残高を評価する金融機関もあるため、財務面も有効です。
もうひとつA社が優れている点は、仕入の平均支払サイトを55日にできた点です。A社の代表は支払日を5日後ろにずらすだけでなく、締日を5日前にする交渉も行いました。結果は同じはずですが、支払日を10日伸ばす交渉よりも、支払日を5日伸ばして締日を5日前倒しする交渉は通りやすかったようです。
この10日は中小企業にとって大変大きなインパクトがあります。
「支払を先延ばししたところで、いつかは払わなくてはならないのだから一緒でしょう?」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、企業は永遠に生き続けますので、払わなくてはならない日は訪れません。
月の仕入額が1,000万円であれば、10日分の333万円は永遠に買掛金となります。仕入額1億円になれば3,333万円です。無利子かつ返済不要の借入と同じ効果です。
取引条件に強く拘っている中小企業様は少ないと感じます。
取引条件がキャッシュフローに与える影響をしっかり理解し、もっと強く拘ってみてはいかがでしょうか。
投稿者 税理士法人 良知