税理士法人 良知 コラム

2018年2月26日 月曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その6)』

Q11:「新しい設備投資計画書を示しながら新規の融資を打診したが、計画書の内容を確認するまでもなく、『融資は難しいです。(銀行担当者)』」と言われた。

A11:
精魂込めて作り上げた投資計画書を確認してもらえない段階で、融資を断られたことに納得がいかない様子の相談者様でしたが・・・金融機関は、新規の融資を検討する時、まず、直近の決算書(及び試算表)を確認します。この決算書と足元の推移が健全であると判断した時に、新規融資の検討を開始します。健全でなければ、新規融資の検討自体を行いません。

〇直近の決算書(及び試算表)の確認方法は・・・
1.直近の決算書から簡易キャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)を確認します。この簡易キャッシュフローの金額が、現時点の借入総額の10分の1以上であることが最低条件です。
2.債務超過でないことが必要です。
※1又は2が突出して優良な時、または、提供できる担保がある場合など、上記の限りではありません。上記はあくまでも簡易的な診断です。実際には、突っ込んだ財務分析を行います。

〇1と2を満たすとき、現時点においては健全である・・・と判断されて、新規融資の検討、投資計画書の確認を始めます。直近の決算書の確認で融資できないとなれば、当然投資計画書の確認は行いません。

◎当事務所にて、診断を行った結果、新規融資を受けられる可能性は極めて低いことが分かりました。相談者様に対しては、融資を受けられない理由、どうなれば融資を受けられるのかをご説明して納得いただきました。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。
我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。
遠慮なくご相談下さい。
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2018年2月24日 土曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その5)』

Q10:「雨が降ってきたから傘(お金)は貸さない、晴れている時は傘(お金)を貸すと言う」
銀行とはどんなところだ?(憤り)

A10:
6ヶ月前に融資を受けませんかとの提案をいただいたそうです。その時は断ったが、その後、主要な取引先との取引がなくなって、業績が悪化して赤字に転落しています。(試算表ベースで大赤字です。)同じ銀行に融資依頼を行うも、「融資出来ない(銀行担当者)」との回答だったそうです。

〇金融機関は総じて、「雨が降っている時には傘を貸しません。晴れたら傘を貸しに来ます。」金融機関にあるのはすべて「日傘」ですから当然です。金融機関にある傘はすべて「日傘」であって「雨傘」でないことを理解してください。金融機関対応はこの趨勢を理解して行わないと本事案のような間違えを起こします。

※「雨傘」は、国策としての制度融資や制度保証として時々貸し出しされる例外です。

◎当事務所にて財務診断を行いましたが、足元の業績の悪化が顕著で、新規借り入れの返済原資となるキャッシュフローの見込みが立ちません。新規借り入れは無理です。

・経営改善計画書を作成して既存借り入れのリスケジュール(返済金額0円)を即座に実行しました。
・資金繰りシュミレーションを継続的に行いながら、資金ショートの回避と収支バランスの改善に、財務部長として継続してご支援させていただいています。
当事務所のサービス「資金繰り円滑化サービス(財務部長の代行業務)」を導入いただいています。社長様の経営改善を資金繰り・財務面で継続的にサポートできています。収支改善の目途がつけばいち早く、資金調達にチャレンジします。(この時は、リスケジュールを同時に解消します。)

※本事案においても、6カ月前に提案された融資を受けておれば、経営改善のための手持ち資金に余裕を持てたはずです。本事例については、ぜひ記憶にとどめておいてください。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。
我々は、『税理士』でなく、『新・税理士』です。
遠慮なくご相談ください。




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2018年2月23日 金曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その5)』

Q9:融資依頼に行ったら銀行の担当者に「役員報酬」が少ないと言われた。役員報酬が少ないと借り入れが受けられないのか?
『融資依頼を行ったら銀行の担当者に「役員報酬が少ない。」と言われた。役員報酬が少ないと借り入れが受けられないのか?』(相談者様)

A9:
融資依頼をするために決算書を提示した時に、出入りの銀行の担当者が「役員報酬が少ないですね。」と言ったそうです。併せて、新規の融資に難色を示されたので、相談者様は役員報酬が少ないと借り入れが受けられないのか?と疑問を持たれたようです。

〇金融機関が新規の融資を検討する時には、まず現状の財務の健全性を確認します。
・簡易キャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)を確認します。
・この簡易キャッシュフローの要素となる税引き後利益を確認するために、販売管理費も確認します。
・この時、役員報酬が過少であれば、本来もっと役員報酬が必要となるため、税引き後利益が少なくなるのではないか?と考えたと推測できます。
・金融機関が考える役員報酬額に置き換えた時、簡易キャッシュフローが極小であったため、新規融資に難所を示されたようです。

〇役員報酬の多い・少ないでなく、実態の税引き後利益がポイントです。

※融資審査時の財務診断は他にもあります。簡易キャッシュフローの診断はほんの一部です。

◎当事務所において、診断を行った結果、奥様の所得が給与に計上されており、社長様の役員報酬は過少であっても、世帯所得は常識の範囲内である。役員報酬の是正(税引き後利益の減額補正)は必要ない旨を、銀行担当者に説明することで、理解を得ました。誤解を解きました。金融機関との折衝は、当事務所が行いました。必要な金額の新規融資を調達できています。
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2018年2月22日 木曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その4)』

Q8:信用保証協会の保証付き融資、新たな借り入れを依頼したら、「前回の借り入れが資金使途違反に当たるので、新たな保証はもらえない。(銀行担当者)」
   『信用保証協会の保証付き融資、新たな借り入れを依頼したら、「前回の借り入れが資金使途違反にあたるので、新たな保証は出来ないと保証協会に指摘された。前回融資分の完済も依頼された。(銀行担当者)」』(相談者)

A8:
該当する融資の詳細を確認したところ、
・当該融資は設備投資資金
・借入金額と投資資金の金額は同額、問題なし
・借り入れ日の前に当該資金を支払い済み、これが資金使途違反に当たります。
※大変厳しいように感じますが、信用保証協会の保証付き設備投資資金は、当該資金の入金後に、当該設備投資費用を支払う必要があります。この順番が逆転した領収書で指摘を受けます。

〇信用保証協会の保証付き設備投資資金は、その保証金額と投資資金額の整合性だけでなく、その支払い時期についても、厳格なルールがあります。

〇(参考)日本政策金融公庫の設備投資資金は、
・その金額が1,000万円以下の時は、決算書提出時に結果をトレースされます。
・その金額が1,000万円超の時は、投資実行後にその結果をトレースされます。
・支払日については、その期間の幅を認めてくれます。
※設備投資資金として調達した資金を、他の用途に利用することは出来ません。少なくとも、次回以降の融資が受けれません。本来は完済を求められます。

◎当事務所にて、支払い時期ずれについてその悪意がない旨を、銀行を通じて信用保証協会にお伝えすると同時に、当該銀行の協力を得られたので一旦完済した後に、再度必要資金の調達を行うことが出来ました。信用保証協会の寛容な判断、銀行の協力、何よりも会社様の業績が極めて良好であったことが、解決できた理由です。
その後、資金繰りシュミレーションの継続と、タイムリーな資金調達を行う当該事務所のサービス「資金繰り円滑化サービス」を導入いただいています。社長様の営業戦略を資金繰り・財務面で継続的にサポートしながら、このような金融事故を未然に防ぐこともできています。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。
我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。
遠慮なくご相談ください。

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2018年2月21日 水曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その4)

Q7:日本政策金融公庫の創業融資、自己資金の要件は?「支払い済み領収書では証明にならない。(公庫担当者)」

『創業融資依頼時点ですでに支払いを済ませた店舗保証金分の領収書を提示したが、これでは自己資金の証明にならないと、公庫担当者に言われた。』(相談者様)

A7:
日本政策金融公庫の創業融資の要件の中に、自己資金を有すること「・・・創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方。」とする項目があります。

〇ポイントは自己資金の出所の証明です。
・この資金は、確実に当該事業の資金として利用されること
・短期的な返済等を必要とする資金でないこと
・創業者が自分自身で蓄積した資金が好ましい
とされています。
※長期間に渡る計画的な貯蓄等は、創業者の堅実性の証明にもなります。

〇短期的に資金を借り入れなどで調達し、それを自己資金と称し、日本政策金融公庫から融資を受けた資金で返済する、このようなことにならないために確認されます。
・領収書は支払いの証明書であり、その資金の出所の証明にはなりません。
・求められているのは、出所の証明です。支払いの証明ではありません。

◎当事務所にて、当該資金の出所のエビデンス、本案件の自己資金は、親御さんからの支援が大半を占めており、その親御さんの銀行口座の残高の確認、その残高蓄積の経緯、その資金が相談者様に移行したエビデンスを準備して公庫の融資依頼資料として提示し、その詳細を説明することで、理解を得ました。
金融機関との折衝は、当事務所が行いました。必要な金額の創業融資を調達出来ました。
※親御さんからの援助資金を自己資金とするとき、その資金のエビデンスに当たる親御さんの預金通帳等の開示も求められます。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ために新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。
我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。
遠慮なくご相談ください。


  
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