税理士法人 良知 コラム

2018年2月19日 月曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その3)』

Q5:当社の借入可能額を知りたい。それに合わせて新しい設備の投資額を決めたい。

『新しい設備の投資を検討しているが、その投資規模を決めるために、当社が借り入れ可能な金額を知りたい。いくらまで借りられるのか教えてほしい。』(相談者)

A5:
金融機関から新しい借り入れを行う時には、まず現状の確認が必要です。

〇最初に現状の確認を行います。

1.直近の決算書から簡易キャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)を確認します。この簡易キャッシュフローの金額が、現時点の借入総額の10分の1以上であることが最低条件です。

2.債務超過でないことが必要です。
※1又は2が突出して優良な時、または、提供できる担保がある場合など、上記の限りではありません。上記はあくまでも簡易な診断です。実際には、突っ込んだ財務分析を行います。1と2を満たすとき、現時点において健全であると判断されて、
新規の借り入れを受けられる可能性が高くなります。

〇次に、検討中の設備投資を行った時の収益を見積もります。

3.新しい借り入れの返済を、新しい設備投資を行った収益で賄えること。

4.現存の収益と新しい収益で、既存の借り入れと新しい借り入れの返済を賄えること。
3または4の時、理論的には借り入れは可能です。
※新しい設備から生まれる収益を、過度に見積もると、その蓋然性の説明が難しくなります。注意が必要です。

〇上記の検証を行いながら、最適な投資額を決めます。金融機関には、最適な計画書を作成して、新規の融資を依頼します。

◎当事務所にて、決算分析・設備投資計画書(返済計画書)を作成し、金融機関に対して借入れの申込みを行いました。金融機関との折衝は、当事務所が行いました。必要で最適な新規の投資資金を調達できました。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。
我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。
遠慮なくご相談ください。
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2018年2月17日 土曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その2)』

Q3:希望する調達額を満額借りれないので出店できない?

『新店出店資金として2,000万円の調達を希望する旨を、保証協会付融資で取引のある某銀行に依頼したが、新店出店のための希望調達額2,000万円に対して、保証協会から1,000万円の保証しか取れない(※事前相談時の非公式なコメントと推測できます。)、とする某銀行担当者のコメントが返ってきた。』(相談者様)

A3:
決算書と足元の業績を確認させていただいたところ、確かに資金調達はできそう、一方、2,000万円の希望金額は金額が大きく容易ではないことが想定できました。また、某銀行は規模の大きい銀行であり、この会社様がプロパー融資を受けることが難しいことが推測できます。
〇現状は・・・
・希望調達額2,000万円、調達候補先は保証協会保証付き某銀行からの融資・・・1,000万円
〇当事務所では、融資の戦略を練り直します。
・保証協会保証付き某信用金庫からの融資・・・1,000万円
・同じ某信用金庫プロパー融資・・・300万円~700万円
・日本政策金融公庫からの融資・・・700万円~300万円
ポイントは、保証協会付融資に付加してプロパー融資を引き受けてくれそうな信用金庫(信用組合)を探して、さらに、日本政策金融公庫にもお願いをして、上記の3つの引き出しから合計2,000万円を調達する協調融資を目論むことです。

当事務所にて、決算分析・出店計画書(返済計画書)を作成し、某信用金庫と日本政策金融公庫に対して、合計2,000万円の調達に動きました。当事務所が主体的に対応しています。
結果、合計2,000万円の出店資金の調達に成功しました。
希望通りの新店出店が実現しています。
新規の借り入れが出来そうな状況にあっても、その借入希望金額が大きすぎる?と想定されるとき、この協調融資は大変有効です。当事務所では、多数の実績を上げています。

※『協調融資』とは、複数の金融機関から、同時に同じ目的の資金を合算して調達する資金調達方法です。一般的に言われる『シンジケートローン』とは異なります。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配を出来るだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言致します。
我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。
遠慮なくご相談ください。

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2018年2月17日 土曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その2)』

Q3:二期連続赤字、今期中の足元の業績は急回復、借り入れできるか?

『二期連続赤字ですが、今期期中の足元の業績は急回復しています。返済のみが長期間続いていて、資金繰りが厳しくなってきました。今期決算は相応の黒字を計上できそうですが、決算を待たずにこの段階で新規の借り入れは出来ないでしょうか。
金融機関の担当者に相談したら、決算が締まるまで待って下さい、と言われました。』(ご相談者)

A3:

金融機関の貸し出しの判断は、原則論として決算書を基準に行っています。期中の試算表で収益改善を示しても、決算まで待ってください、となるケースは少なくはありません。ただ、期中であっても、その業績の改善が顕著で、その改善状況をはっきりと説明できれば、日本政策金融公庫や、信用保証協会の保証付き融資を受けられる可能性があります。
〇ご相談者のケースでは、
・決算後9か月が経過しており
・その収益改善の方法が明確であったこと
・その簡易キャッシュフローの額が、総借入額と比して大きかったこと(債務償還年数は約6年)
・明らかに債務超過でないこと

上記の事実を踏まえて、精度の高い試算表を整備して解説することで、ご相談者様が希望される金額の融資を受けることができました。

◎当事務所にて、決算分析・資金繰り表(実績と見込み)を作成し、某信用金庫と日本政策金融公庫に対して、運転資金の調達に動きました。金融機関対応は、当事務所が主体的に行っています。財務目線で信憑性のある試算表作りと、資金繰りの実態と予測をできるだけ正確に提供することが、融資成功のポイントです。

※試算表の精度は総じて低い、金融機関はこのように考えています。作る側も「とりあえず・・・・」と考え、費用の売上の計上漏れを容認しているケースも少なくありません。金融機関に対して、経営の進捗状況を報告する資料であるならば、上記の緩さは看過できません。当事務所では、試算表を財務目線で正確に作成し、その分析資料を金融機関目線で作成・解説することで、クライアントの経営品質の高さを金融機関にご理解いただきます。上記のことが、二期連続赤字企業様が、期中で新規融資を受けられた要因の一つです。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。
我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。
遠慮なくご相談ください。

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2018年2月16日 金曜日

『金融機関対応・資金調達Q&A(その1)』

 Q1:すでに借入のある銀行から追加の融資依頼(「借りませんか。」)を受けています。資金にある程度余裕があるように思いますが、融資依頼をお断りすることになぜか不安も残ります。「どこまで借りればよいか?」と悩んでいます。どのような基準で判断すればよいでしょうか?

A1:当事務所では、このような時には以下の基準でご提示して助言しています。

〇近未来の資金繰り計画に沿って、
・資金繰り計画上十分な余裕資金を持つこと。
・資金繰り計画(売上計画)自体が下振れする可能性を踏まえて、それでも資金繰りに困らない資金を確保すること。保険を掛けておくこと。
・金融機関は経営状態の良い時(晴れの日)だけ、融資依頼(「借りませんか。」)を行う、この事実を理解すること。悪くなれば(雨の日)、「貸せません。」の回答が
返ってきます。
〇一方、
・借り入れが膨らめば、その金利負担が膨らむこと。
・手持ち資金が潤沢になれば、余分なお金を使いたくなる趨勢がある。
上記のような長所と短所を天秤にかける必要があります。

近未来の経営状況を正確に読み切れるなら、最小限の資金で会社は回せますが、近未来の経営に不確実性があるならば、余裕を持つことが必要です。多くの会社は後者ではないでしょうか。結果として、当事務所では、「借りられる時に、借りられるだけ借りて下さい。」と助言する場合が多くなります。

◎当事務所にて、簡易的な近未来の資金繰り表(標準・良い時・悪い時)を社長様とミーティングしながら作成した結果、今回銀行から提案された融資を受けることになりました。近未来の資金繰り表を作成したことで、社長様は大いに安心されたご様子でした。

※向こう6カ月~1年先までの資金繰り計画は常に把握できるようにしてください。また、判断に迷うなら借りてください。

Q2:資金繰りが厳しくなってきたので、銀行の担当者にリスケジュールを依頼しましたが、「せめて半分は返済し続けて欲しい。」と言われています。半分も返済する余裕はありませんが、受け付けてもらえません。どう対応すればよいのでしょうか?

A2:(確認すると、試算表は提出しているものの、経営改善計画書は作っておられませんでした。)銀行にリスケジュールを依頼するときは、経営改善計画書が必要です。銀行は、この経営改善計画書を基準に、リスケジュールの受け入れの可否や、返済額の妥当性を判断します。一定期間返済猶予を受けることで、その会社・個人事業主様の経営が健全化することがリスケジュールの条件になります。返済猶予を行っても、経営が改善する見込みがない時は、金融機関は返済猶予を受け付けません。返済猶予を極小(0円)に圧縮することで、一定期間経過後に健全化する経営改善計画書を作成することが必須でした。

◎当事務所にて、経営改善計画書を作成し、当事務所が主体的に銀行と折衝を行った結果、スムーズに返済額0円でリスケジュールを行うことが出来ました。経営改善の期間は5年です。一年後に再度リスケジュールに応じてもらうためにも(通常はリスケジュール契約は一年ごとに見直しを行います。)、銀行には継続的な経営状況の報告が必要です。当事務所が継続的に銀行とのやりとりを行います。

※リスケジュールを依頼するときは、経営改善計画書が必要です。金融機関が「せめて半分は返済し続けて欲しい。」というのは、返済額0円とすることで、一定期間経過後に、経営改善が出来るとする経営改善計画書を提出していないからです。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配を出来るだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。
我々は、『税理士』でなく、『新・税理士』です。
遠慮なくご相談下さい。

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投稿者 税理士法人 良知 | 記事URL

2015年6月28日 日曜日

これから更新していきます。

よろしくお願いいたします。
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